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7月いっぴ
一泊二日で東京いってきた。仕事半分,遊び半分。あいにくの,雨。 羽田から,直接東京都現代美術館へ。清澄白河の駅からは結構離れている。 印象に残ったものをいくつか。 Ron Muek 「in bed」 浮き出た血管や,目の濁り,白髪,肘のしわ,シーツのしわなど,すべてが実物そのもの。当たり前だが,どんなに細かく見ても非の打ちようがない。寝る前のひとときなのか,女性は何か考え事をしている。何かとてもプライベートな時間を見ているようで,凝視していてはいけないような気にもなる。 じっと見つめていると,自分の視界に映るものが,腕だけになったり,顔だけになったりする。今,自分の視界に自分の腕だけを映そうと思えば,かなり近寄って見ないとそうはならない。しかし,この巨大な作品を見ていると,物理的には自分は近寄ってはいないのだが,自分が小さくなったというか,まるで自分の身体全体が自分の目になったような錯覚におちいる。しかし,ふと自分の視界の中にいる他の鑑賞者を見て現実に引き戻されると,作品の巨大さを改めて実感することになる。 もし,自分以外に誰もいない場所でこの作品と一対一で対峙することになれば,「大きさ」とか「見ること」,「リアル」とかいった意味が何なのかよく考えることができるような気がした。「本物よりもリアル」というと,陳腐なコピーに聞こえるが,本物をここまで凝視する機会がなかったため,まさに「本物よりもリアル」に思える。 Dennis Oppenheim 「テーブル・ピース」 まず音の出るインスタレーションなので,直感的に「面白い」と思った。20mくらいの長いテーブルの端と端に,白と黒のタキシードを来た人形が坐っている。テーブルは,黒い人形がいる方は黒,白い人形がいる方は白になっており,それぞれに向かってグラデーションになっていて,ちょうど真ん中はグレーになっている。その時は人形が何と言っているか分からなかったが,「why?」「why not?」と言い合っていたらしい。これは作者のアイデンティティーを表しているらしいが,分からなかった。音が被さったり,ずれたり,共鳴したり。直感的に面白い。 William Kentridge 「Stereoscope」 政治的な内容も含まれている作品だったが,黒と青で構成されるアニメーションが面白かった。小さい子どもたちが見入っていた。2回も見た。 Artavazd Pelechian「我々の世紀」 スペースシャトルの打ち上げや,飛行実験,戦争。色んな場面がつなぎ合わされている。ゴダールがずっと彼のことを押していたらしい。2回見たかったが,時間がなかった。 Rinko Kawauchi 「キュイキュイ」 この作品は,かなり日本的なものに依っていると思ったが,カルティエはどういう基準で選んだんだろう。でも,とてもプライベートな写真のスライド。自分の身内だからこそ撮れるようなものがたくさんあった。音楽もあったので,映画のよう。家族の絆。よかった。 その日がたまたまだったのかはわからないが,美術館には小学生か中学生かが誘い合って,美術館に見に来ていた。サンダル履きで。東京って,美術館がすごい身近な存在なのかなぁと思った。 前に日記に書いた「ガージェリー」も飲んできた。ガージェリーの会社の方に教えて頂いた広尾の「Cafe de pres」と,汐留の第一ホテルのバー「traxx」。美味しい。エステラとスタウト両方飲んだ。ごくごく飲む感じではない。ゆっくりと楽しめる。グラスがかっこいい。カフェデプレのサーモンサンドもすごい美味しかった。エステラとすごく合います!行ける人行ってみてください。 夜,増上寺と東京プリンスホテルの間の細い道をタクシーで通った時はすごかった。「うわー」と思わず声が出てしまった。黒い木々の間からライトアップされた東京タワーが見えた。こんなんが毎日見れるのは羨ましい。きれい。見上げる建物。 たまに行っただけでは,移動とか交通手段のことばっかりに頭を使ってしまって,ゆっくりと満喫できないと思った。 帰りは,「ぷらっとこだま」プランで4時間近くかけて帰ってきた。これくらいの時間で行くのがいいのかもしれない。各駅停車で。距離と実際の時間と徐々に近付いていることに対する心構えという点で。浜松で駅弁を買った。初駅弁。 だんだんと東京の地理感覚がわかってきたような気がする。 今まではどこに行くのにも渋谷始まりじゃないとわからなかったが,今回は渋谷には1回も行かず。
by thistimelastyear
| 2006-07-03 15:53
| 日本
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